仮想通貨の世界で言うウォレット(財布)は実際のお財布ではなく、アドレス(銀行で言う所の口座番号)という物を発行し、資金を移動、保管できるプログラミングやシステムを指します。
仮想通貨は4つの保管方法があります。
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取引所に置いておく
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ウェブウォレット
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ソフトウェアウォレット
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ハードウェアウォレット
この中で最も安全な保管方法はどれでしょうか?
答えは4のハードウエアウォレットになります。
通常の貯金は銀行に預けてあれば安心という考えですので、取引所に置いておく事が最も安全と思われる初心者の方も多い様ですが、過去に仮想通貨の取引所でハッキングにより保管していたコインが紛失する問題が起きています。
2018年にはコインチェックにて580億円分の仮想通貨(ネム)がハッキングにより紛失した事件もありました。この事件では取引所が紛失分を補填する形となりましたが、取引所が紛失分を保証してくれるかどうかは、その取引所の経営状況に左右され、もし紛失により取引所が潰れる様な事があれば、保証は一切されない可能性や、海外の取引所は保証を約束していない事が一般的となっています。今後、取引所に対して様々な規制がかかり、ユーザーの資金が守られる方向ではありますが、保管はコインの保持者の責任と選択の一つとなっています。
4つのウォレットの特徴を解説します。
1, 取引所に置いておく
上記に挙げた様に様々な問題が過去にあり、そこに長い間置いておく事はリスクと思った方が良いと思います。自分のコインが盗まれてしまう可能性があります。
2, ウェブウォレット
インターネット上で展開されるコインの保管サービスです。
有名な所だと「Blockchain.info(ビットコイン専用)」「MyEtherWallet.com(ETH&ERC20トークン専用)」などがあります。
ウォレットはインターネット上で簡単に作成できます。登録用のメールアドレスとパスワードの設定をする事によりウォレトを持つ事が出来ます。様々な設定が出来る為に比較的に安全と言われています。
様々な仮想通貨が世の中にありますが、コイン毎にウォレットは種類が違うので注意して下さい。
「日本円しか入らない財布」「米ドルしか入らない財布」「豪ドルしか入らない財布」といったイメージです。それぞれの財布に間違えた通貨を入れると、コインが無効になってしまう事もあるようです。
また、ウェブウォレットはインターネットにつながっている状態で、秘密鍵(パスワード)さえあれば、いつでもどこでもお金を動かすことが出来ますが、ハッキングやセキュリティ上のリスクがないとは言えません。
様々な詐欺ウォレットが生まれ、ユーザーからコインを盗もうとする動きがあります。
URLを微妙にずらす「フィッシング詐欺」も多いです。普段使っているウェブウォレットとよく似たサイトを作り、パスワードを盗みだす手口です。
最近はAppStoreでも偽物のウォレットがアップされており、偽物のウォレットに資金を移動すると盗まれてしまう仕組みです。
上記に挙げた様な信用の於るウェブウォレットから使用を開始する事をお勧めします。
3,ソフトウェアウォレット
PCやスマフォにダウンロードするタイプのお財布です。
パスワードやIDも自身のデバイスへの保存となりますので安心です。ただし通常、PCや携帯は常にインターネットと繋がっている事が多く、ハッキングされれば、資金も盗まれてしまう可能性があります。
常にインターネットに繋がれているデバイスでの使用は不安がありますが、逆にオフラインにしてしまえば、インターネットからの侵入は出来ず、安全を保てます。
スマフォ1台を仮想通貨専用にし、普段はAirplane modeにしてインターネットなどのアクセスを絶ち、資金の移動時だけオンラインにして使う方法で多額の資産を守っている方も多いです。この使い方ならばハッキングされる可能性もかなり低く安心して使えると思いますが、スマフォ自体を紛失した場合は資金も盗まれる可能性があります。
有名なソフトウェアウォレット3選
Bitcoin Core
ビットコインの公式ウォレットで安心感があります。複数PCからの利用が出来ない事が難点です。
Electrum
エレクトラムは古くから存在するウォレットで、多くのビットコインユーザーから信頼されています。2段階認証を使用、セキュリティ機能が高いソフトウェアとなっています。送金の手数料を変更出来る特徴があります。ビットコインは手数料を高く設定するほど、早く処理してもらえる傾向にあります。
bitpay/copay
Bitpay / copayはWindows,Mac,Linux,iPhone,Androidの全てに対応したデスクトップウォレット、モバイルウォレットです。様々な端末からアクセスできるので便利です。同一のアプリで複数のウォレットを管理する事が可能です。個人用や仕事用を分けて管理出来ます。それぞれのウォレットの管理を確認するための画面切り替えも簡単です。
共有ウォレット」を作成しておくことで、もし万が一利用しているPCやスマートフォンが盗難にあったり、紛失した場合に複数の端末の承認がなければビットコインを送信できない仕組みになっています。
PCやスマートフォンなどの紛失の可能性まで考慮されており、安全性は高いウォレットです。
4, ハードウェアウォレット
USBなどでPCに繋ぐタイプの財布(機器)です。
機器の中にパスワードを管理し、専用のアプリと機器をシンクさせる事によって使えるウォレットです。USBから機器を抜いてしまえば、インターネットからの攻撃を受ける事は皆無で、もっとも安全な保存方法と言われています。
有名ハードウェアウォレット2選
「Trezor」「Ledger NanoS」
になります。
資金の移動時にUSBに繋いでアクセスをしなければならない点や、扱えるコインに制限があったり、1台購入するのに1万円からのコストが掛かる点がデメリットです。
上記したウェブウォレットとの連携を取れる機能でより多くの種類のコインを保管出来る機能もあります。
ハードウェアウォレットのLedger NanoSとMyEtherWallet を併用して使う方法などもあり、より快適に資金の管理をする事が出来ます。
コインチェックのネム紛失事件があった際は、ハードウォレットの需要が一気に高まりました。ある程度の資金を仮想通貨で運用する方はハードウォレットをお勧めします。
秘密鍵(パスワード)は、購入時に付属しているアクティベーションキーと対応しており、ハードウェアウォレット本体が故障したり、紛失したりしても、新しく購入した本体にキーを入力することで復元できます。
ただし、アクティベーションキーさえ持っていれば他の本体からでもウォレットにアクセス可能というのは、裏を返せば他人にキーを知られたら不正送金などをされるかもしれないというリスクがあるということです。
キーは他人に見られないよう、また、なくすことの無いよう厳重に保管する必要があります。
また、流通業者がアクティベーションキーを、商品が購入される前に盗み見して資金を盗む事件もありました。正規代理店から購入しましょう。
以上、仮想通貨を保管する4つの方法を解説しました。どの保管方法にもメリットとリスクがあります。完璧という物は存在しないかもしれませんが、より安全性の高い方法を選ぶ事が仮想通貨を扱う上で大事だと思います。
2 comments
どれもそれも信用ならないのは私だけ??
それは確かに言えてますねw 仮想通貨は自分管理という所が良いようで難しい。
まだ新しい技術でどれも不安定的な感はありますよね。
ハードウェアウォレットも、送金が上手くいかない時もありますし、(まーその時はどの送金も詰まったりしているわけですが、、)ネットに繋いだ時に攻撃されれば、取られる可能性も無きにしもあらず、、しかし送金時、最後にハードの方のボタンを押さなければならないのは安心の一つではあります。
私の場合は、ロビンフッド(アメリカで最も人気の株取引アプリ)にビットコインとイーサリアムが扱える様になって、保管の心配なく、送金のストレスもないので、そっちに資金が流れていきました。ただ、このロビンフッドから取引所の様に、どこかのアドレスへ送金出来るわけではないです。